第4章 隠し味
五条先生はあまり原作で見た事ないような柔らかな顔してる。
「千愛は優しい子だね」
「普通ですよ」
「風邪ひいちゃうから早く着て」って再度促して、五条先生はようやくインナーシャツを取りに行った。
まだ裸の残像がくっきり残っているからか胸の音がドクドクとうるさい。
だけどこれは視覚から入った刺激だけではないような気がする。それがなんなのか私にはうまく言葉にすることが出来なかった。
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五条先生がベッドの上から私の名を呼んだ。はーいって返事する。
「ちょっといい?」
お呼び出しのようだ。ちょうど歯磨きを終えたところで、洗面室から先生のいるベッドへと向かう。頼みがあるって真面目な風に私に言う。
「なんですか?」
「一人じゃ多分無理なんだよね。千愛に手伝ってほしい。ベッドの上でさ」
「え、」
ベッドの上で手伝ってほしい?
ひとりで無理?
なんちゅーこと言っちゃってんの。
それって、まさか……まさか……。
「来て……」
「えっと」
躊躇していると、五条先生はベッドの上に私を引き上げた。