第17章 帰還
呪具というのは呪いが封じ込められていることから作り手の特性が型に現れる。効力が強ければ強いほどそれは顕著だ。
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このネックレスと同じ呪いの型が、加茂家が所有しているいくつかの呪具と一致しました。いずれも二十年ほど前に手に入れた呪具とのこと。
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ビンゴ。やはり僕の予想通り、ネックレスを千愛に渡したのは彼女で間違いないだろう。死後、異次元に転生していたのか……?
引っかかるのは万愛の母親は呪具を作れる能力はあっても生得術式はなかったという点だ。
術式を持ち合わせているなら命を狙われた時に呪術を用いて娘を守り、戦っているはず。
その痕跡がないまま死亡したということは万愛の母親は術師ではない。となると彼女が時間干渉系の術式を行使するのは不可能と思われる。
そもそもどうやって呪いを保持したまま転生したんだ……。