第14章 再会
さっき悟が言っていた"愛に触れる"っていうのが、記憶や術式を取り戻すトリガーになることは間違いなさそうだ。
でも、それを抜きにしても、私と悟はお互いを求めている感じがした。
同居していながら、一緒に眠りながら、これまで好きだと伝えることはなかった。今初めて通じ合って、触れたくて確かめたくて仕方ないのだ。
男らしい彼の指先が私のうなじに触れて、耳たぶを食まれた。
三角形のほくろのところだ。甘い刺激で体がぴくりと反応して、短い息が漏れ出す。
呼吸するたびに、開いたドレスの胸元が上下して、私の肌は高揚して桃色に染まった。
悟の視線が時折そんな私の胸元に落とされ、白い前髪の隙間から色欲を灯した青い瞳で見つめられ、これ以上はとても心臓がもたなくて呟いた。
「キスして、悟」
ぎこちない目線で彼を見ると、悟も我慢出来ないといった感じで早急に私の頬に手を添えた。顎をクイっと持ち上げる。
「目、閉じて」
鼻先が傾いて唇が近づく。