第14章 再会
スタンドミラーで全身を映してみようと思い、足を一歩前に踏み出すと、ドレスのスカート部分がふんわりと揺れる。
「お姫様になったみたい」
「んじゃイケメン王子も登場しないとね」
先生は洒落た風に私の手を取り、それから背中と膝の裏に手を回して、ふわっと私を持ち上げた。
「きゃっ」
「捕まってて」
そのまま私を抱えて歩き出す。こうやってよく運んでもらったっけ。
それにしてもこれじゃまるで新婦みたいだ。ハロウィンの仮装にしては本格的すぎない?
姿見の前まで運ばれて、鏡に映った姿を見た。五条先生にお姫様抱っこされて映り込んでいるのがすごく恥ずかしい。