第14章 再会
続けて五条先生は私が縫製したメンズパンツを出してきて「これ半日で縫い上げたのすごくなーい? 彼女、器用なんだよねー」って生徒たちに自慢げに披露した。
待って待って、情報が追いつかない。
口の中がカラカラに乾いていた。潤すためにお水をグラスいっぱいに注ぎ、ごくっと喉に冷ややかな水を通す。
なんでこんな話をしているんだろう。グラスを置いて、もう一度本誌に目を向けると、悠仁が不思議そうな顔をしていた。
「先生って獄門疆の中にいたんだよね」
「いたよ」
「ずっと?」
「うん、ずっと」
「まるで女の人のとこにいたみたいな言い方するからさ」
「それはまずいよね。僕のファンが減っちゃう。恵には負けてらんない」
「さっきから何わけわかんないこと言ってるんですか」
名を呼ばれてすっと恵が会話に入った。
ファンっていうのは呪術廻戦の人気キャラ投票のことだよね。こっちの世界にいた時、五条先生はランキングをチェックして闘志を燃やしていた。