第10章 本当の出会い
✳︎
僕は思い出したよ。
隠れんぼの相手はよくしてやったけど、万愛は毎回違うとこに隠れてたよな。
一度も同じ場所はなかった。
これは軽い冗談だけどさ、万愛は自分がどこにいても、どうなっていても、僕がちゃんと君を見つけられるようにあん時から訓練してたんじゃない?
僕が万愛に言った言葉がまるで昨日のことのように蘇る。
"どこにいても見つけんだよ!……けどあんまり遠くはなしな。万愛は隠れんぼじょーずだからさ、手間取んじゃん?"
まさか異次元に隠れるなんてな。手間取らせすぎでしょ。
けどそこは僕だからさ、まっかせなさい。ちゃんと万愛を元の世界まで連れて帰るよ。
万愛をこの手で守りたい気持ちは今もずっと変わっちゃいない。
僕らの運命っていうのは、隠れんぼして遊んでたあの時からもう始まっていたのかもしれないな。