第10章 本当の出会い
ひとまず呪力量を落として、俺がここにいる事を呪詛師らに気づかれないよう廃屋の中に忍び込み、そっと様子を伺う。
呪詛師のひとりが誰かと連絡を取っていた。電話を切ると仲間に告げる。
「自然に見せかけてガキを殺せばさらに50万上乗せらしいぜ」
「ちょろいもんだ。さっさとやるぞ」
万愛が激しく泣き出した。こんな状況になってもまだ呪術を使おうとしねえ。
ペタンと座り込んで泣いてるだけだ。楽巌寺せんせーの言う万愛の力は確かなのか?
「ママ、ママー」
「ママはいねーぜ。死んじゃってるよ。オマエが殺したって説もあるけどな、ひひ」
「ママ、ママー。ひとりにしないで、ママー!!」