第10章 本当の出会い
おそらく術式に関連してんだろうけどこれだけじゃわからねー。
「ほんとにこいつ、俺と同じように強ぇーの?」
「加茂家の裏で動く術師軍団がいるんだが、そやつら20名あまりを再起不能にした」
「あ゛ぁ? ひとりで?」
楽巌寺の爺さんが頷く。信じられなかった。その軍団の中には準1級の術師も混じってたって話だ。
これは爺さんが駆けつけた時に見た現場の話で、万愛は何一つ呪術を使った覚えはないらしい。
壊滅状態の中で、万愛が泣きじゃくっていて、死んだ母親と、動けなくなった術師軍団がいたっていう状況証拠だけ。
真相は闇の中だ。爺さんが話を続ける。
「加えて誰の子なのか、それも今調査中でな。オマエの妹の可能性もあるぞ」
「は?」