第10章 本当の出会い
なんだこいつ。ほんとに強ぇーの?
命に懸賞金がかけられてる俺は、反射的に無下限呪術でそのよろめきから身を守る。無下限に弾かれた万愛が声を上げた。
「わぁぁあ」
まるでバナナの皮でも踏んだみたいに足を滑らせて、後ろに倒れそうになったから、仕方なく彼女の体を支えて、すとんと腰をおろさせてやった。
「どうも、ありがと」
「おぉ」
これが、万愛と交わした最初の言葉……だったと思う。万愛はぺこって数センチこうべを垂れた。爺さんが俺の方に首を向ける。
「どうだ。六眼でなにか分かるか?」
「呪力変わってんなー」
「フム」
普通、術師の体に宿る呪力は腹で練って巡回させている事が多い。
だけどこいつのは、頭ん中に呪力がたまってる。見たことねぇ特異体質だ。