第9章 さよなら五条先生
「私はいいから……いいから行って。ひとりで立てる」
笑って見せた。もう十分だ。私は先生がくれた言葉で前に進める。
五条先生はさっき、もし私の記憶が消えても恋人だったら何度でも愛するってそう言った。
それは私に自信をくれたんだよね。そういう女の子だから前だけ見て生きなって。
心を冷静にして、最初に五条先生に出会った頃の自分に戻した。お互いに住む世界が違う。私と五条先生の未来が交わることはない。
とっても不可思議なひと月半だったけど、五条悟を呪術廻戦のキャラではなく、ひとりの男性として愛する事が出来て、この世界で出会えてよかった。
「先生、私を置いていってください。今度は先生は置いていかれる側じゃない。寂しい思いをしなくていい」
「僕は君を置いていくつもりはないよ。こんな状態で終わらせない」
「頭を冷やして。もう終わりだよ。エンドロールは始まってる。これは五条悟が無事に戻れたっていうハッピーエンド」