第9章 さよなら五条先生
背中に揺られたままふっと意識が遠のいた。急な睡魔に襲われたようだ。
そのまま私は車の後部座席に運ばれてボブの運転でアパートまで帰った。
うつらうつらと五条先生にもたれながら、車に揺られながら。
「君はどこにいても命懸けで僕を助けようとするんだね」
そんな言葉が聞こえたような気がした。
「具合はどう?」
「うんかなり酔いは覚めた。もう大丈夫」
気付くとベッドの上に横たわっていた。
先生が車から運んで寝かせてくれたのだろう。まだ深夜みたいだ。ゆっくりと上体を起こしてベッドの縁に腰をかける。
「お水でも飲む?」
「あ、うん。ありがと」
コップを手渡され一気にごくっと飲み干す。