第9章 さよなら五条先生
だけどなぜナナミンが最推しなのか、どこが好きなのかは自分でよくわからない。
私の脳内で七海建人は大好きなキャラというタグが貼られていた。そこだけ残っていた。
だから私はナナミンが好きなのだと意識的に思い込むようにして、かっこいいとか素敵だとか言葉に出してグッズを買った。
ナナミンの事を推すのはきっと本来の自分なのだろうと思って。
五条先生は、私がナナミンのことを推してる理由を秘密って返したことに納得していなかったけど、私があれこれ考えてる間に、テーブルの上にココアを淹れてくれていた。
一口飲むとあったかくて甘くて落ち着く。それに五条先生とお揃いのマグっていうのがなんだか嬉しくて自然と口元が綻んでしまう。
スマホを置いてココアを飲むことに専念すると、また五条先生は質問してきた。