第8章 五条悟のひとりごと
その最初のきっかけは千愛の右のうなじにある三角形のほくろを見つけた時だ。驚いたよ。まさかとは思ったけど、これと全く同じ形状のほくろを持つ子を僕は知ってる。
――僕が待たせている彼女だ。特別な子。
こんな偶然ある? 僕の見間違い?
んなわけない。何度も何度も彼女のうなじにキスをしたからね。
そのほくろのトライアングルは僕だけが知ってるマークみたいで気に入っちゃってさ。
よく唇を押し当ててはその場所に赤痕を残した。本人は多分嫌がってたけど。
僕はますます千愛の事が気になった。そして獄門疆と千愛の間には何か繋がりがあるんじゃないかと強く思い始めたんだ。