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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第72章 #72 世界を救いに



リリアはジャンとミカサから今回の作戦を聞いた。
マーレの力を借りる条件、それはイェレナの生きたままの引き渡し。
この件に関してはジャンが手を打つらしい。

我々は二手に分かれ、一つはイェレナの確保、もう一つは武器や食糧などの物資を出来るだけ集めて外へ出る。
前者に関しては車力の巨人が連れ去る形で仲間を回収するらしい。
リリアは体調を考慮してミカサと共に物資を運ぶ方につくことになった。
あとはアルミンやコニーが無事に戻ってくるのを待ち、彼らの協力を出来れば得たい。


「私、門の所で待ってみる。きっとうまく説得出来てたらそろそろ帰ってきそうだから。ミカサとジャンはイェーガー派に悟られないように準備して」
「リリア兵長1人で大丈夫です?」
「うん、ありがとう!それじゃあ行ってくるね」

リリアは二人と別れると門の方へ向かい、アルミンやコニー達が戻ってくるのを待った。
アルミンは上手くコニーを説得出来ただろうか。
どうか四人無事で戻ってきてほしい。
しかし30分、1時間、まだ帰ってこない。

「……大丈夫かな…」

その時だ。
遠くから馬が駆けてくるのが見えてきた。
アルミンとコニー、その後ろにはガビとファルコの姿も見える。
リリアは大きく手を振った。

「アルミン!コニー!!ガビ、ファルコ!!」
「リリア兵長?!」

まさかリリアが出迎えてくれるとは思っていなかった。
コニーは馬から降りると申し訳なさそうにリリアの前に立ち頭を下げる。

「リリア兵長……すみません…俺……」

するとリリアがコニーの両頬をギュッと摘み、驚いたコニーは目をパチパチさせた。

「リリア…へいひょー……」
「心配したんだよ!!」
「すみまひぇん……」

リリアは微笑むと手を離し摘んでいた頬を撫でた。
そしてギュッとコニーを抱きしめる。コニーは固まっていたがアルミンは笑っていた。

母親にファルコを喰わせて人間に戻しても、これから先苦しむのは母親だ。
しかしもうコニーは今はもう分かっている、大丈夫だ。
だからリリアは怒ってなどいない。
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