第19章 何も無かったかのように…
それからだった。
光輝と特に変わった事も無く、あれから一週間が過ぎた。
「坂田!」
ーん?ー
聞き覚えがある声。
振り向くと光輝がいた。
「何ー?」
「あのさ、俺さ、学校の夏休みの夏期講習に呼び出されちゃってー。お前は行くんか?」
そうだ。
もうすぐ夏休みだ。
楽しい、楽しい夏休み。
そんな夏休みを夏期講習で壊されちゃ困る。
去年はあっけなく呼び出された。
だから、今年は頑張った。
もう呼び出されやしないはず…
「いや…。何も言われてないけど…。」
「そうかぁー」
「それがどした?」
「お前、去年呼び出されてたから、今年もかなーって思ったんだけどなぁ」
「余計なお世話!!一言多いわ‼‼」
「はいはーい。んじゃ!」
こんな変な会話でも心臓が大きな音を立てて 響いてる。