第4章 友達って良いよね
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ー花街ー
遊里に着いた天道はまゆを目的の店「朝霧屋」に売る為に手を引き、朝霧屋の女将に近付いた
ある程度は目星を付け勝算が有ると踏まなければ、天道とて『柱の継子だから』といって入隊もしていないまゆを借りるなどしない。出来なかった時のリスクが高すぎる
天道「あんたは朝霧屋の人か?」
女将「ん?そうさ、あたしは朝霧屋の女将さ。その子をうちに売ってもらえるのかい?可愛らしいじゃないか、高く買うよ」
まゆ「あぅ…(何か切ない…)」
女将はまゆを見定めるように頭のてっぺんから爪先まで見回している。まゆとしては実に居心地が悪いのだが、任務だからと大人しくしている
天道「あぁ、幾らでも良い、この女を買ってくれ。下働きしか出来ないだろうがな(予防線になれば良いが…)」
女将「否、この子は売れるよ、甘え上手とみた。この位でどうだい」
まゆ「…(相場分かんないや)」
まゆは結構な額で朝霧屋へと売られ、潜入が成功したのだった。まゆは見た目もそこそこで芸も出来る為、団体客の酒の相手から始まった
まゆ「月詠と申しんす。どうぞ贔屓にしてくんなまし(継国兄弟並の美丈夫!かっけぇなおい!)」
言葉には出さないが、まゆの頭の中はお祭り騒ぎだ。意外にメン食いのミーハーだったようである。だからと言って惚れたりはしないが…
?「ワシは織田というもんだでよー、よろしゅう!おみゃーさんは愛いのう」
織田と名乗る男はまゆを抱き寄せ手を握る。するとまゆは上目遣いで見上げた
まゆ「何だか照れんすなぁ」
織田「反応が初々しいがねー」
織田はそう言うとまゆの耳元に口を寄せ小さな声で問うた
織田「月詠よ、おみゃーは木剣だけだのうて、刀を握り戦う者の手をしとる。一体何者だ?」
まゆ「わ、わっちはただの遊女でござりんす…」
織田「訳ありか、あまり深うは聞かんが素人ではにゃーだろ」
まゆ「はい…今は言えんせん、許してくんなまし。意地悪しないでぇ〜(汗)」
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