第8章 地獄の沙汰とあれやこれ
移動途中、サタンが呼び止めた。
サタン「あの……」
貴方「はい?」
サタン「あれは何だね?小刻みに震えているんだが…」
鬼灯「ああ」
鬼灯たちは中庭に降りて、金魚草をサタン様に差し出した
鬼「金魚草です」
サタン「金魚草ってこんなのだっけ!?」
鬼「観賞用のペットです。私たちが趣味で品種改良を」
サタン「ヒぃぃぃ!誰が飼うんだこんなの!?」
鬼灯「体調を競う大会もありますよ」
サタン「そんな人気なのコレ!?そうやってすぐ訳のわからん大会して…」
貴方「西洋だって訳の分からない大会たくさんしてるじゃないですか。奥さん運び大会とか」
サタン「うっ、否定はできないけど」
鬼灯「それよりお料理が冷めないうちに」
サタン「あ…ああ、そうね……」
鬼灯「どうぞ」
そう言って鬼灯は扉を開ける
そこにはさっきの金魚草が
しかもかなりデカい
鬼灯「今年の優勝モノです」
サタン「兼食用!!!?」
閻魔「どうぞ、どうぞ。お座り下さい、私も御相伴にあずかります」
貴方「顔色が悪そうですが・・・もしかして菜食主義でしたか?」
鬼灯「えっ、サバトで肉は召し上がっているはずですよ」
サタン(そういう問題じゃねぇぇぇぇぇ)
サタン「(うう......しかしここでナメられる訳には......)イヤ~......ハハハ、美味そうですな~」
閻魔「やはり活き作りが一番ですな」
ダン
鬼灯が包丁で乗せていた器ごと金魚草を真っ二つにした
鬼灯「では、日本名物解体ショーを」
そしてたったの二分でカンピョウを握った。
鬼灯「どうぞ」
サタン(ヒイイイイジャパニーズ・タクミ!)
閻魔「イヤァ鬼灯君と瓜美ちゃんはなんでもできるんですよ」
サタン(早技にも程があるだろ)
貴方「なんでもなんてできませんよ」
そう言いながら瓜美が包丁で大根を曼珠沙華に切っていく
サタン(大根が曼珠沙華に!?)
サタン(器用だ!ムダに器用だぞジャパニーズ!!しかもヘルシー)
サタン(はっ......いかんいかん、いつの間にかただ単にカルチャーショックを受けている。しっかりするんだサタン、目的を忘れるな)
サタン「すまんがトイレを......」
鬼灯「あ、つき当たりを右です」