第2章 叶わない・・・*白龍*
炎「…琴、紅玉が探していた。行ってやれ」
『え?紅玉ちゃんが?分かったわ。じゃあ、白龍くんまたね』
龍「あ……はい…」
従者と共に歩いていく琴殿。
その姿が見えなくなった頃に
義兄上が口を開いた。
炎「白龍………お前、何を言おうとした?」
龍「っ……何も、言おうとしていません」
じっ、と上から見られる。
心の内を見透かされそうで。
逃げ出したかった。
炎「…つまらない嘘をつくな。……まぁ良い。一つだけ言っておこう」
そっ、と耳打ちをされる。
炎「………琴は俺のモノだ。誰にも渡さん」
その言葉を言い残し、義兄上は去って行った
全て、見透かされていたか……。
それでも……この思いは
消えないだろう。
死ぬまで………。
─END─