第3章 気づいたときにはもう手後れ
「ん?もう起きたの…?体調大丈夫?」
考えても、答えを導き出せなくて
まだ早いけど気分転換に散歩でもしようとドアを開ければ先程まで考えていた、五条先生が私へと手をヒラヒラと動かし、固まる私をよそにドアの隙間から身を屈めて中へと入っていった。
『せ、せんせ!!』
「は今日から休んだら?今が一番大事な時なんだから」
『…な、何を言ってるんですか…』
嫌な予感がする。
鳥肌がぶわっと立ち上がる。
それを誤魔化すように両手で自分の体をぎゅっと抱き締めた。
話が噛み合わないのに、その先の答えを知っている気がする。
先生はとても愉しそうに笑って、目隠しを取った。
睫毛の長い奥底にある
まるで澄みきった青空のような双眸は私を見つめて、嬉しそうに目を細めた。
「もう、気づいてるんでしょ…?お腹の中の子供」
『っ?!…わ、私先生とそんなことした覚えはない…です!』
「そりゃー記憶にないと思うよ?だって、僕…の事…睡姦してたわけだし」
ケラケラと嘲笑う五条先生に
あまりにも衝撃的な事実に足に力が入らない。
ゆっくりとその場にしゃがみこむ私に五条先生は私を横抱きしベッドへと横たわらせると私のお腹を厭らしく触ってとんとんと優しく触れた。
「大事にしてね?僕との子供」