第11章 リヴァイの選択
モブリットが足も体重を乗せなかったら痛みは少ないからと言って
体の感覚を取り戻す為に訓練場の巨大樹の木々の間を軽く飛んでいる
地下街にいた時から私は3人のよう上手には飛べない
エルヴィンが団長に言ってくれて立体起動と乗馬の訓練の許可は降りていた
でも許可が降りたのが壁外調査前で 他の団員達の訓練の邪魔になるし 教えてくれるはずのハンジとエルヴィンが忙しくて調査が終わったら…と言われていた
「カナコは経験者なんだよね?今は訓練場に人はほとんどいないから 一緒にどう?」
「うん飛んでみたい…でもすごい下手くそだからね」
という訳で私は久々に立体起動装置を装着した
先にモブリットが体を温める為にアンカーを打ち込み森の奥へと消えていった
私は準備運動としてラジオ体操をしつつモブリットが戻ってくるのを待つ
たしか全力ラジオ体操は運動の前に効果的だってテレビで言ってたはず!
2回ラジオ体操をした頃にモブリットが戻ってきた
「高い位置にアンカーを打ち込まないで移動してみて」
見た目よりもかなり鍛え上げているモブリットだけど今は片足しか使えない 私が落下した時に受け止められないからと 万が一があっても大きな怪我をしない程度の高さで始めた
巻き取る時に力が上手く抜けなくてバランスを保てずに振り回されたりしてモブリットをハラハラさせた
それでも1時間くらい練習したらどうにか勘を取り戻して下半身のバランスが安定して移動がスムーズに出来るようになった
2人で訓練場のコースを1時間くらい回ると私の太腿がガクガクと震え背中がつって筋力の限界がきた
ふらふらで歩けなくて巨大樹の根元に這って移動し 水を飲みそのまま仰向けになり空を見る
「カナコは筋トレから頑張らないと 乗馬もかなり下半身の筋肉使うから 馬から降りたら立てなくなるだろうね」
足に負担がかからないようにふわりと降りたモブリットが私を上からのぞき笑う
「当たり前だけど…みんなすごく鍛えて努力してるんだよね」
私はたった2時間程度で動けなくなった 団員のみんなは様々な訓練を毎日何時間もしている それでも毎回壁外調査では多数の犠牲者が出てしまう それだけ壁外は危険な場所なんだ
「そうだよ 調査兵団は生半可な努力では生き残れないよ」
モブリットの言葉が私に重く響いた