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【進撃の巨人】月と青い鳥

第10章 出発



目覚めると隣には眠っているリヴァイがいて 壁外調査へと出発する日だというのにぐっすりと眠っている姿がいつも通りで安心した


「朝だよ…起きて」

寝ている頭をくしゃくしゃとすると眉間にシワを寄せて薄く目を開ける 手を伸ばして私を抱きよせ胸に顔を寄せた 珍しくリヴァイが私の匂いをスンスンと吸った


「カナコの匂いは安心する…」


「緊張してるの?」


「地形や巨人の情報が少ねぇからな…なにがあるか予想が難しい」


温かなベッドの中で私達は体を重ねて鼓動を確かめ合った




リヴァイは制服に着替え立体起動のベルトの金具を留め 最後にスカーフを手に取る


「ちょっと待って」

万華鏡のネックレスを外し いつもは鎖だけど切れ難い皮の紐に変えた それをリヴァイの頭に通して首に掛ける


「カナコの大事な宝物だろ…」


「うん…壁外には一緒に行けないから これを私の変わりに連れていって…

そして 私に返す為に必ず帰ってきてね 」


スカーフを巻いている私の手にリヴァイの手が重なる

本当は不安で緊張しているのは私の方で 手が震えて冷たくなっているから スカーフが上手く巻けていない

私の冷たくなった手をギュッと握り リヴァイは自分でスカーフを巻いて私を見て優しく笑った


「カナコ泣くな イザベルが心配する」


「うん…」


「必ず帰ってくるから カナコは安心して笑って待ってろ」


「うん…」


キスを何度も交わして私が落ち着いた頃に 元気なイザベルの声がした


ファーランは食堂で待っていて4人で朝食を食べた後 3人は出発の準備をしに整備室に向かった







調査兵団本部の広場に各分隊と班ごとに整列して 団長を先頭にシガンシナ区にある門に向かっていく

松葉杖を付きながらも団員を見送る為に広場に出てきたモブリットの隣に私も立っていた



「あっ カナコ モブリットをヨロシクね!」

「分隊長!暴走しないで下さいよ!」

「分かってるよ 今回はフォローしてくれる優秀な部下がいないからね 私がしっかり頑張るよ」


ハンジが親指を立ててモブリットに向けながら進んで行った


各班の配置を知らない私がキョロキョロしていると


「向こうにリヴァイ達の班がいるよ 荷馬車の近く」

モブリットが教えてくれた



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