第15章 道を教えて
夕御飯が終わり、はハカセのところへ向かった
『ハカセ』
ハカセ「ん?どうしたの?」
『血の落とし方、教えて』
ハカセ「血?」
の手にはアイムのハンカチ
ハカセ「今日の怪我の……。腕は?大丈夫?」
『痛くない』
ハカセ「じゃなくて、ちゃんと消毒とかした?」
『してない、忘れてた』
ハカセ「えぇ!ダメだよ!ほら、こっち来て!」
をソファーに座らせ、腕を見る
ハカセ「うわ……火傷と切り傷が一緒になったみたいだ…。痛くないはずないよ…」
『?痛くないよ?』
ハカセ「痛覚が今は無いんだよ。こんなの痛いに決まってるよ…」
ハカセは丁寧に消毒し、薬を付けて包帯を巻いていった
『ありがとう』
ハカセ「ちゃんと自分のことも大事にしなきゃ」
『…自分のこと?私、自分より、ハカセやみんなの方が大事だよ』
ハカセ「…」
『私は怪我しても大丈夫。痛くないから…』
ハカセ「!」
ハカセはを抱き締めた
ハカセ「痛いんだよ……痛いはずなんだよ……」
『…ハカセ…?』
ハカセ「みんなだってが大事なんだよ。そんなこと言っちゃダメだよ…」
『…?わからない、どうして…?私、守れるの嬉しい…。ハカセは嬉しくないの?』
ハカセ「僕達だってを守りたいんだよ。が怪我するの嫌なんだ」
『……そうなの?』
ハカセ「うん。そうだよ」
『………』
ハカセ「(は人の怪我は治せるけど自分の怪我は治せない……。だけがいつも傷だらけだ……そんなの辛いよ…)」
『ハカセ?どうしたの?』
抱きしめる腕に力が入り、心配になる
ハカセ「あっ、ごめん…!」
『ううん』
ハカセ「そういえばさ、今日の記憶は?どうだった?」
『あ…』
―――――
『(助けて……怖い…怖いよ…)』
「あれぇ?なぁんだ、一足遅かったかぁ」
『(だれ……)』
「また会おうね、ちゃん」
―――――
『よく…わからなかった』
ハカセ「そっか…」
『うん』
顔は見えないけど聞いたことがあるような声…
どこかで…