第67章 ❤︎ 治店長とバイト店員の初体験 宮治
例えばロリ顔の期待の新人のデビュー作でそんなタイトルのAVがあったとしても俺は多分スルーしてたと思う。んなわけあるかと切り捨てながらもそういやここ何年かは仕事中心の生活でろくな恋愛もしてへんし彼女もおらんし、少し年上くらいの控えめな感じの容姿に着痩せするタイプの女どっかにおらんかなと都合のいい妄想で自分を慰める。
けど、ほんまに欲しいもんっちゅーのは順番もチャンスも回ってこんのにそのくせ想定外のとこから降ってくる。そんなもんやと言われたらそんなもんなんやろうけど、この状態はラッキーでもチャンスでもなんでもはないのは断言できる。
「なぁ、治君。私の初めてもらってくれへん?」
「なに言うてんねん、アホか」
お手本のようなツッコミ。近所に住むいちかは年も7つ離れてるし幼馴染というよりは俺にやたら懐いている妹みたいな存在やった。俺の車が家にあるのに気付いたら夜でもお構いないしにやってきて今やって制服姿のまま俺の部屋の真ん中でドヤ顔を見せる。
「いきなり部屋来て何を言い出すかと思ったら…。またしょーもないこと言うて」
「しょーもなくないもん、ほんまやもん。これ大真面目な話」
「逆に大真面目に言われた方が困るわ。お前、意味分かって言うてるんか」
「分かってるよ」
「やったら俺が相手ちゃうやろ絶対」
「治君やで。私とエッチして欲しいなって思って」
「200%無理」
「でも本気やもん」
「あかん」
「なんで」
「あかんもんはあかん」
「理由は?なんであかんの?」
「俺は24。いちかが17。完全にアウト」
「年齢だけ?」
「年齢も気持ちの問題も全部含めて無理。いきなり俺にこんなこと言うてくるんとかおかしいでお前」
「あのね、彼氏が出来たの」
「へぇ…。そらおめでと。ならいずれはその彼氏とそういうことに発展するんちゃう?」
「それが大問題なん」
「なんで?」
「嫌やから。……なんとなく」
「相手彼氏やろ?」
「うん…」