第14章 ❤︎ 正しい飛雄の煽り方 影山飛雄
落ち着きを取り戻した後は何となく気不味い空気に晒されていた。というか私が主導権を握ってしちゃったせいで完全に拗ねている飛雄。
「怒らないでよ」
「怒ってねぇ」
「でも気持ちよかったでしょ?」
「だから気にいらねぇんだよ」
「やっぱり怒ってるじゃん」
「いちか、覚えとけよ?」
「なにを?」
「次は容赦しない」
「負けず嫌いだからそういうふうに言うだろうとは思ったけど余程悔しかったんだね。ごめんね?」
背を向けて無視したまま飛雄。謝ってるくせにしっかりと煽っちゃってるもんね。
「でもね、私も負けないから。もっと可愛い飛雄の表情見せてね…?」
変わらず拗ねたままの背中に近付いて頸にそっと口付けをする。
徹のアドバイスを受けてレベルアップしたのは私の方かもしれない。そんなことを言うと口聞いてくれなくなりそうだから絶対に言わないけどね。
Fin.