第68章 ❤︎ 青城３年とルームシェア

「…いちか？」
「ごめん。急に」
「痛かった？」
「んーん。これだけじゃ足りないからしよ？」

体力はもうギリギリまで削られてるけど、このまま一静と繋がることができたら今以上の幸福感が待ってると思う。

「ゴムは要らないから」
「なんで？」
「及川の感覚消して欲しいもん」

こんな台詞吐いちゃうくらいに頭の中は沸いちゃてる。一静は私の言葉が意外だったのか目を大きく見開いて姿勢を逸らしはにかむ。珍しくデレてるのが可愛い。可愛いすぎる。

「それは俺にしかできないな」
「そうだよ」
「この瞬間を刻んでおくから。一生俺のそばにいて」

〝うん〟と口角を上げた唇に軽く触れ、額、頬、首筋に唇を這わせていく。合間に手を重ねて指を絡めて、そんな自然な仕草一つ一つが愛情表現なんだと思うと堪らない。

「一静…」

高校生の頃、好きで好きで仕方なかった片想いの日々に感じた想いが蘇る。別れても心のどこかで忘れられなかったのはこの想いを忘れたくなかったからなのかもしれない。一静が私の名前を呼びながらゆっくりと繋がっていく。中に入ってくる感覚すら愛おしい。

「どしよ、…幸せすぎる」
「泣かないで」
「今更、一静がずっと好きだったんだって分かったんだもん」
「今更じゃないだろ？やっと答え合わせがでできただけ」
「ん…、そうだね」

ああそうか、人の運命っていつだって必然なんだ。世の中が混沌としていようが未知のウイルスが蔓延しようが私たちの運命には逆らえないんだから。

「ねぇ一静。最後は私ばっかりじゃなくてちゃんと気持ちよくなって終わろ？」
「無理してない？」
「ほんとにしてないから。もし意識飛んじゃっても一静だから大丈夫でしょ？」
「そりゃ大丈夫だけど…。でも今夜はそこまでさせちゃうとさすがに罪悪感感じるかな？」
「もう、何それ。そういうとこ大好きだけど。でもあんまり躊躇ってたら上乗っちゃうよ？」
「俺もそういう挑発的なところ好きだな。上に乗るのも悪くないけど今日はこのままさせて欲しい」

〝いい？〟なんて改めて聞く必要なんてない。でも繋がる前のこの時間だってドキドキして好き。腰に回されてる手。少しだけ体勢を直すときのふわっとした浮遊感。膣口に触れてゆっくりと繋がっていく時の例え用のない快感。