第68章 ❤︎ 青城3年とルームシェア
「待って、この流れで自由過ぎない?ここ食堂じゃないんだけど」
岩「つっても今は飲食店にも入りづらいしな…」
「そりゃそうだけど」
岩「お前、合宿の時、飯作ってただろ?あれすげぇ美味かったからまた食いたいんだけど」
確かに合宿の時、岩泉は最後まで私の作ったご飯を食べてくれた。それも“美味い美味い”って煉●さんかってくらいに何回もおかわりして…。あの地獄のような合宿で唯一嬉しかったのってあの時だったんだよね。ほら私ってちょろいからさ、それだけで嬉しかったんだよね。
岩「無理か…?」
「無理じゃないけど、……なんでもいいの?」
岩「作ってくれんのか?」
ちょ、そんな嬉しそうな顔しないでよ。普段仏頂面の岩泉みたいなタイプに嬉しそうな顔されると弱いんだから。
「そんないいもの作れないよ。買い物だって行ってないし」
岩「なんでもいいから」
花「じゃあ俺も!」
松「ならこの流れで俺も」
「待って。あんたら調子に乗り過ぎだから」
松「岩だけ狡くない?」
花「そうそう、俺にも作ってよ」
「本当にお腹空いてるなら作ってあげなくはないけど」
花「めっちゃ空いてる、なぁまっつん」
松「俺も。全然食えるよ」
「分かった。その代わり美味しくなくても全部食べてよね」
花「もちろん」
松「じゃよろしく。俺らこれからどうするか話し合うから」
私抜きで話し合ってどうすんだよってもうツッコむのも疲れた。とりあえず私の料理を認めてくれた岩泉のためだけでも作るか…ってキッチンに立った。ため息をつきながらも対面式のキッチンから見える男三人が楽しそうに会話してる光景。……ちょっと悪くないって思ってる自分がいる。