第3章 出会い~赤司side~
体育館へ来ると、そこには4人の人影がある。
2年の実渕玲央と根武谷永吉、葉山小太郎、3年の黛千尋だ。
「遅くなってすまない」
僕がそう言うと、玲央がこちらへ寄ってくる。
「征ちゃん。生徒会のお仕事、お疲れ様」
「ありがとう。アップは終わったのか?」
「終わって今休憩中だよ」
「小太郎、僕は玲央に聞いたんだ」
「そうだけど、どっちが答えたって良いじゃん」
小太郎の言葉に僕はため息をついた。
別に、怒ったわけではないが、小太郎には少しペナルティを課そう。
「こた「赤司」」
僕の声に別の声が重なる。
そちらへ顔を向けると、千尋が僕の方へと歩いてきていた。
「手の甲、どうした?」
「手の甲?」
そう言われ、首を傾げる。
しかし千尋は訝しそうに僕を見つめ、自身の右手の甲を見せてきた。
それに僕は右手の甲へと顔を向ける。
そこは少し赤くなっている。
「ああ、痛みがないから失念していた。実はさっき、図書室で女子生徒を庇ったんだ」
「図書室?」
「それでバスケは出来そう?」
「問題ない。それより、着替えたら少し話があるんだが」
「赤司がそう言うってことは、重要な話だね」
「ああ。マネージャーの件でね」
僕がそう告げると、小太郎達が声を揃えて「マネージャー!?」と言った。
しかし、マネージャー候補からの了承は得ていない。
その旨を伝えようかと思ったが、小太郎達は既に舞い上がっている。
僕はため息をつくと部室へと向かった。