【名探偵コナン】生まれ変わったら名探偵の姉でした。
第3章 〜小波の魔法使い〜
新一「うん!」
秀吉「兄さん、まるでホームズみたいだったからね」
新一「ち、違うよ!ホームズはもっともっと、超スゲーんだぞ!!で、でもまぁ……ワトソンぐらいにはしといてやるよ」
椎奈「ちょっ、新一照れ隠しでも失礼でしょ!年上のお兄さんに偉そうな口調で言わないの!」
何気無かった次男さんの言葉に噛みつき、照れ隠しなのかぶっきらぼうな新一の態度を叱っておいた。まったく普段は大人っぽく振る舞う癖に、こういう所は子供っぽいのか態度が悪くなる。けれど赤井さん本人は怒っていないらしく、寧ろ再び爆笑していた
秀一「ははははははっ!大丈夫だお嬢さん、Dr.ワトソンか!そいつはいい!!」
真純「(ま、また笑った!!)」
秀一「じゃあな、ホームズ弟子くん。それにーーー君も直感とは言え、犯人を言い当てたのは凄かった。じゃあな、アイリーン・アドラーのお弟子さん」
椎奈「(……え?まさかあれを聞かれてた?)」
やはり面白おかしそうに笑った彼は私の頭も撫でると、先を歩いて振り返る事なく去って行く。一応直感なのだと分かっているようなので、推理力があるなんて勘違いはないだろう。代わりに変な見込みをされている気がするのだが……
だがまぁ、しかし、アイリーン・アドラーのような音楽のプロの道か。弟が現代のホームズなんて呼ばれていくので、私は私なりに色んな人々の心に自分の歌を響かせたい。そんな輝かしい人生を目指してみよう、何だかそう思えた
そして何より数年後、この世界で起こる多くの事件や組織の暗躍は弟を始め色んな人間を不幸に堕としていく……。日本を命懸けで守ってくれる警察官でさえ、原作前から死んで行ったのだ
一体無力な私に何が出来るだろう。顔を俯かせながら悩んでいる私を他所に、赤井真純ちゃん……後の世良真澄ちゃんが満面の笑みで新一に対し「まるで君達は魔法使いだね♡」と言っていた
これが私の決起のきっかけ、幼い頃の真夏の物語だった───