第7章 ─ きみがため ─
「あ……あの……」
「ん?」
「っ……その……そっちだけじゃなくて……」
言うつもりじゃなかったのに、本音が漏れてしまう。
旦那様が喉の奥で笑うのが聞こえて、とたんに顔が熱くなった。
「こっちもして欲しい?」
「………はい」
頷くと、旦那様は指で弄っていた胸の先を咥える。
ちゅっと吸われると、待ち侘びていた刺激に身体が跳ねた。後にはぴちゃぴちゃという、濡れた音が耳に響く。
それも刺激になって、私は何も考えられなくなるほどに乱れていった。
「の身体はどうしてこうも素直なのだろうね。ずっと可愛がってあげたくなるよ」
突起を舐めていた舌と唇は、乳房やお腹、臍をゆっくりと愛撫していく。
指先も、まるで壊物に触れるように、口付けしながら下へいくと、足の間へと到達した。
「ん…………」
恥ずかしさで脚を閉じようとしたけど、膝に手をかけられ割り開かれた。
「ぁ…や、………」
膝を左右に大きく開かれ、その間に旦那様の身体が入ってくる。
濡れた秘部に注がれる視線に、私は片肘で顔を隠して身を硬くした。
恥ずかしい……こんな姿、誰にも見せたことがないのに…なのに今……旦那様に見られてる。
………どう、思われているのだろう。
きっと旦那様は私と違って経験もある。
私なんかよりも色気があって、大人な女性としたことがあるかもしれない。
なのに今の私は髪も乱れて、綺麗な浴衣も肩からずり落ちて形をくずしている。
顔も風邪を引いたときみたいに熱い、きっと人に見せられないくらいに酷い顔をしているに違いない。
そんな、初めてのこの身体は旦那様にはどう映るのだろうか……。