【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第10章 マイキーという男
あ、もしかして…
ここドラケンの席だった?
「あははっ!ドラケンが驚いて固まってるー!」
「…何だこれ…」
「名前ね、三ツ谷に内緒で来ちゃったんだって!ウケるよね!」
「ああ…そういう事か。おはよう」
あ、私が原因だったんだね。
ごめん。
「ん?あれ?名前?」
「うん。私だよ。お兄さん。おはよう」
「マイキー。今気づいたの?」
「何か。普通にいた…」
「ああ。普通に馴染んでんな」
「バカもん!こんな別嬪が家に馴染むわけないだろ!」
何故かエマのじいちゃんが怒鳴る。
そしてドラケンは、当たり前のようにお兄さんの御髪を梳かし始めた。
驚いて、ドラケンを見上げる。
「いつも俺が世話してんだよ」
「そうなんだ」
私の視線に気づいたドラケンが、ボサボサの髪と格闘しながら答えた。
優しくて、強くて、面倒見がいい。
確かにエマが惚れるわけだ。
同時に私の面倒をみてくれている隆を思う。
一応連絡しておこうかな?