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【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】

第8章 好き


 


side.三ツ谷隆





正直。

コイツがこんなに純粋なのは予想外だった。


何かと言えば短気で凶暴だし、屁理屈こねるし、我儘だし。



なのに困ったな。

なんでこんなに可愛いと思うんだろう?



何だか…もうすごく可愛い。



好きだ。

名前が好きだ。


すっげぇ好き。



俯いて泣く名前の頬に手を添えて。

触れるだけのキスをする。



お前の涙は本当にキレイだよ。





「…なあ?少しは落ち着いた?」

「…うん…」

「じゃあ、ほら。慣れるまで抱き締めてやるよ」

「…うん…」





漸く猛獣モードから抜け出して、名前は子猫のように俺に擦りよってきた。



コイツの取り扱いは大変だ。

一歩間違えれば大惨事。



さすがに蹴られはしなかったけど。



俺の膝に乗っかって、ギュッと俺にしがみつく名前。

普段からこれくらいなら、もっと可愛いのにな。





「他に困ってる事ある?」

「ない」

「そうかよ。一先ずお前のそのおかしいって症状は、一時的ですぐ消える」

「何で言い切れんの?」

「俺がそうだったから」

「隆も?」

「うん。こうやって話してれば、そのうち慣れてくっから」





名前は漸く安心したご様子。





「あと、世界で一番ってのは…俺もよく思うよ」

「ほんと?」

「嘘吐いてどうすんだよ」





じゃなきゃ、お前みたいな。

面倒くさがりで、可愛げなくて、凶暴な女。

惚れたりしねぇよ。



気づいたら惚れてたんだよ。



いつの間にか。

俺の心ん中に、お前が住み着いてたんだ。


 
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