【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第8章 好き
朝。
目覚めると隆がいた。
………あ。
そっか。
私。熱出したんだっけ?
隆が買ってきた体温計で熱を測る。
うん。
平熱だ。
カーテンをシャラッと開けると、隆が身じろいだ。
起きたかな?
隆を見るけれど、未だ夢の中だ。
そっと窓を開けたら、すごく気持ちのいい風が入ってきた。
走りたい。
隆を揺すって起こす。
「隆。隆」
「………ん…名前?…もう起きたの?」
「うん。ちょっと流してくる」
「…んー…あっ!お前、熱は?」
「下がった。平熱」
「ちょっと頭かしてみな」
「ん」
こつんとぶつかる隆の額。
その瞬間、ぶあっと顔に熱が集中した。
「ん?平熱にしては熱くねぇ?」
「いや。体温計で測ったし。嘘つけないし。今のは…何か違う」
「そっか。なら良いんだけどさ。熱下がって、良かったな」
「うん」
ふにゃりと笑う顔を見て、勝手に顔が赤くなる。
こんなの私らくしくない。
「行ってくる」
「おう。気ぃつけてな。1時間後には朝飯だぞ」
「………分かった」
急いで駆け下りて、バイクに跨る。
私、何かおかしいかも。