【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第6章 心
「………薬は飲まない」
「はっ?何で?」
だって赤ちゃんデキたら、薬ダメだもん。
これは我儘じゃない。
「…お粥はちゃんと食べるから」
「薬飲んで寝りゃ治るって言ったの、お前だろ?」
「………気が変わったの。薬は飲まない」
「何で?何で急に気が変わったの?」
言いたくないけど、言わないと永遠と続きそう。
隆はこういう時、凄くしつこい。
「………赤ちゃん」
「赤ちゃん?」
「…デキてたら…薬…ダメだもん…」
「あー。そっか」
隆が頭を抱える。
困らせてるのは分かるけど、私にとっては大事なことだから。
「悪ぃ。そうだったな」
「………」
「名前は、もしかしたらって考えて。守りたかったんだな」
「…うん…」
ばつが悪い顔をしてしまう。
「分かった。いいよ。薬、飲まなくて」
「…うん…」
「その代わり、ちゃんと食べて。温かくして寝ような?」
「うん」
私がお粥を食べると、隆は優しく微笑んだ。
私の不器用な心を理解してくれる。
それだけで私は嬉しいの。