【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第23章 Out ドラケン編
side.龍宮寺堅
唇に生温かい感触がして、目が覚める。
俺の上にえまが乗っていて、キスをされていた。
「…ケンちゃん…」
「お前。裸で何やってんだよ」
えまは涙目で俺の手を取ると、自身の胸に当てた。
「ガキが男の上に乗って、何してんだよ」
「…だって…こうでもしないと…ケンちゃん…私のこと、女の子として…見てくれないでしょ…」
「はぁっ…」
溜息が零れる。
俺はムクリと上半身を起こして、えまに“ピシッ”とデコピンを食らわせた。
嫁入り前の身体だぞ?
もっと自分を大事にしろよ。
それに、そんなガタガタ震えて…
「お前にはまだ早ぇんだよ」
くしゃりと頭を撫でて、今までのようにあしらおうとしたけど。
今回のえまは引かないつもりらしい。
すげぇ勢いで抱きつかれて、ドサッと押し倒される。
「嫌っ!ケンちゃんが私を好きじゃなくても。私はケンちゃんが好きなのっ!」
そんな真正面からぶつかってくんなよ。
えまの目からキレイな涙がポロポロと零れ落ちた。
コイツの涙。
初めて見たかもしんねぇ。
「誰がお前のこと好きじゃねぇって言ったよ」
「えっ?」
俺がどんな気持ちで。
毎日、お前を見てたか。
えまは知んねぇだろ。