【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第22章 Hold* ドラケン編
side.龍宮寺堅
「ケンちゃーん♥ただいまー♥」
えまが帰って来た。
もう夕方か。
作業に没頭してると時間が経つのは早い。
ここは俺とイヌピーが経営しているバイク店。
「今日ね、商店街のコロッケ屋のおばちゃんが余り物くれたんだー」
「そっか。今度、礼言わないとな」
三ツ谷えまは、この商店街の人気者だ。
ちょっと出歩けば色々な物を貰って帰ってくる。
「あれ?イヌピーは?」
「今日は俺だけ。アイツは廃車になったバイクの引き取りに他県に行ってるからな。今日は帰って来ねぇよ」
「ふーん」
16歳になったえまと34歳になった俺は、一緒に住んでいる。
三ツ谷が世界的に有名なデザイナーになってしまい、今は海外で活躍しているからだ。
名前は三ツ谷ついて行ったけど、えまは日本に残ると言い張り。
残る条件として俺と一緒に住む事になった。
「ケンちゃん。お風呂の準備したよー」
「そうか。じゃあ俺は風呂入ってくるわ」
「うん」
えまは飯の支度を始める。
さすが三ツ谷の娘と言うべきか、えまの飯は上手くて。
俺はガッチリと胃袋を掴まれた。
そう。
俺とえまはそういう関係になっている。