【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第16章 君の幸せ
side.娘(えま)
「それで、俺とママは結婚したってわけ」
眠る前に、パパとママの話を聞く。
この時間が私は好き。
「じゃあ、おじいちゃんとそのバイクは、恋のキューピットなんだね」
「そうだな」
「パパがママのことを大好きなのは分かったけど、ママはどうなんだろ?」
「さあ。それだけは、未だに教えてくれねえんだよ…」
「んー。ママは恥ずかしがり屋だから、言えないのかもね」
「だな」
クスリと笑ってしまう。
「ねえ?私もママみたいになれば、パパみたいな人と結婚できる?」
「んー。どうだろうな?パパよりカッコイイ男。なかなか見つかんねえよ?」
パパ。
自分でカッコイイとか言っちゃうだ。
「でもな、えま。マイキーおじちゃんとドラケンおじちゃんだけはやめとけよ?」
「何で?」
「2人とものえまが大好きだから。喧嘩になっちまうだろ?」
「うーん。確かに。いつもおじちゃん達、お誕生日プレゼントとかクリスマスのプレゼントの大きさ比べてるよね」
お休みの日は、パパとママと3人で寝る。
ママもパパもお家でお仕事してるから、いつもえまの側にいてくれる。
ママは弁護士で、パパはデザイナーのお仕事。
だから、えまは寂しい思いをしたことがない。