【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第14章 心の痛み*
私も寝てなかったから、隆と一緒に横になる。
「名前。起きてる?」
「うん」
「エッチした後で、すげぇ悪ぃけどさ」
「何?」
「もうさ、俺に関んない方がいい」
「何で?」
さっきまで普通だったじゃん。
起き上がって顔を覗き込むと、隆が声を殺して泣いていた。
「場地が…死んだんだ…」
「えっ?」
隆の痛みが、私にも伝わってきて。
目に涙が滲む。
「何…で?」
「刺されたんだ…」
「そう…」
隆たちの喧嘩って、殺傷までするんだね。
「いいよ。別れる」
「えっ?」
「隆から言い出したんじゃん」
「お前は、平気なの?」
正直、平気じゃないよ。
でもさ。
そう言ったら何か変わるの?
私だって父を失くしてるから。
その気持ちは分かるよ。
「別れてあげるから、今だけは抱きしめていい?」
「うん」
私の胸に顔を埋めて泣く隆。
その背中を、隆が寝付くまで撫でていた。
もう抗争は終わったのかな?
明日以降ことは分からないけど、今はゆっくり泣いて欲しい。
いくらでも側にいるから。
悲しんで。