【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第14章 心の痛み*
真夜中。
隆のインパルスの音が聞こえた。
「隆っ!」
近所迷惑なのは分かってるけど。
飛び出して、叫ばずには居られなかった。
「ははっ…見つからねぇように…部屋…入ろうとしたのにな…」
抜け殻みたい。
燃え尽き症候群ってやつ?
「隆?大丈夫?」
「お前…今まで起きてたの?」
「…うん。寝付けなくて」
「すっげぇ格好。それに裸足だし。どんだけ焦ってんだよ」
苦笑いをする隆。
「顔。よく見せて」
「痛っ!」
「ごめん。凄い傷。随分派手にやってきたね」
泥だらけだし。
擦り傷もいっぱい。
それでも隆が戻ってきて、神様に感謝した。
「名前。悪ぃけど、泊めて来んねぇ?」
「いいよ。直ぐお風呂沸かすね」
急いで部屋に戻ってお風呂の支度をする。
あと、今日のために用意しておいた救急セット。
それを取り出した。
部屋に入ってきた隆の特攻服を脱がせる。
複数の打撲痕。
こんなになるまで喧嘩するなんて。
行かなくて正解だった。
私は、隆が傷つくのを、黙って見ていられる程。
出来た人間じゃない。