【東京リベ】Break down【三ツ谷隆】【ドラケン】
第13章 らしくない*
side.三ツ谷隆
集会が終わって、名前の家に帰ってきた。
「おかえり」
「おう。ただいま」
「隆の特攻服姿。初めて見た」
確かに今まで見せたことねえな。
帰って来るなり、名前の様子がおかしい。
俺の膝にちょこんと座ったかと思うと。
もじもじしてる。
「名前。どうした?」
「別に?何もないよ?」
お前は何かを隠す時、耳を触んだよな。
その癖気づいてる?
「なあ?今度は何隠してんの?教えてよ」
「あのさ。目、瞑ってて」
「うん」
「腕に出して」
名前に言われた通りにする。
腕に何かをキュッと結ばれた。
「開けていいよ」
クロスチャーム付きのマクラメ?
「どうした?これ」
「作った」
「え?お前が?」
「うん。嫌?」
「嫌じゃねえけど」
あ…確か。
コイツ風呂で被服とか言ってたよな?
「これって習ったの?」
「まあ…検定には関係ないけどね。編み物は習った」
「へえ…検定って被服の?」
「うん洋裁と和裁、それぞれ2級持ってる」
お前って意外とすげぇよな。