第6章 コスプレ。
泣き声を辿って、舞ちゃんの元にたどり着いた。
暗闇の中に、しゃがみ込んで泣いている舞ちゃんがいた。
「舞ちゃん!!」
私の声に、ビックリしたみたいで、体が跳ねた。
「舞ちゃん。もう大丈夫だよ。」
今度は、優しく話しかけた。
「誰?」
か細い声で返事を返してくれた。
「もう大丈夫。私達が外に出してあげる。」
「助けに来てくれたの?」
泣きながら、舞ちゃんは顔を上げた。
「そうやで。俺ら、舞ちゃんの事を
助けに来たんやで。」
浩二君が私の横から、舞ちゃんに話しかけた。
私達を見ながら、舞ちゃんが
「スイート・ハート?」
って、口にした。
…その時…。
目の前で、浩二君が…さっき見た『ナイト』の格好に
…変身した…。
…えっっ????
そして…私も続けて、『ハート』の格好に…変身した…。
…一瞬の沈黙!!
私達の耳には、怖い効果音が…
間抜けな効果音に聞こえていた。
「な!!!なんじゃこりゃ~~~!!!」
私達の声が…お化け屋敷に響き渡った。