第22章 残りの時間、私が貰い受けます✳︎不死川さん
「…っ不死川様!き、聞いてください!今、不死川様が、私のことを名前で…すずねと初めて呼んでくれました!これは夢なのでしょうか!?もしくは空耳でしょうか!?」
嬉しさのあまり、意味の分からないことを口走る私に
「アホ抜かしてんじゃねェよ。さっさと歩けェ」
不死川様はそんな言葉を返してきたけれど、私の視界にはばっちりと、赤く染まった不死川様の左耳が見えていた。
「…っもう!好き!好きです!大好きです!愛してます!」
「馬鹿がァ!道の真ん中でぎゃあぎゃあ騒ぐなァ!手ェ放すぞォ!」
「あ!だめです!もう黙りますから離さないでくださいぃ!」
例えこの幸せな時間が
後4年で終わりを迎えようと構わない。
私にとってあなたと過ごすその4年は
一生にも匹敵する
何にも変えられない
幸せな時間になるから。
あなたにもそんな時間を過ごしてほしい。
うぅん。
過ごさせてあげる。
あっち行けって言われても
何処にも行かないんだからね。
だってあなたの残りの時間は
私がきっちり貰い受けましたので。
「混浴!混浴のある温泉にしましょう!」
「黙れ馬鹿野郎がァ…」
-完-?
それとも
-続-?