第1章 ONE And ONLY(仁王雅治)
中学1年の時、初めて見た男子テニスの試合で一気に引き込まれてしまった。
それから、中学2年間、ずっと立海を見て来た。ライバル校なのに、それでも目が離せなかったのは
きっと、彼の見せてくれるイリュージョンがあるからだろう
立海大付属高校に転入してきて早半年。
氷帝よりも部員は少ないが、その分練習量は氷帝の倍の量を熟していると言えるだろう
ひょいっと持ち上げられてしまったあたしの持っていたドリンクの山を軽々と持ち上げた
「雅治」
「なんじゃ」
「何でもない。ありがとう」
「ええよ」
しかし、今日も暑いと言いながら歩いている雅治は、暑いのが苦手だということをつい最近知った
コートに持って行くと、早々に自分のを持って行った雅治に、苦笑いしかできないけど
「お待たせ」
「助かるよ。しかし、仁王は相変わらずだね」
「そうだね。暑いのが苦手なら、ドリンクボトルも大きいのにすればいいのに」
「まぁ、そんな一気に飲むものでもないしね」
へぇ
「しっかし、よくあの氷帝から立海(ここ)に来ようって思ったよな」
そう、かなぁ?
「でも、まぁ、あの仁王がやる気を出してるからいいんじゃないか?」
「あぁ」