タイムカプセルの一ヶ月【リヴァイ/進撃の巨人/現パロ】
第2章 2
「じゃあ行く。約束ね」
「…本気か?」
「うん。だって自分の書いたタイムカプセルはどうでもいいけど、リヴァイがなんて書いたかは興味あるもん」
「…自分の書いた事なんて忘れたな」
「ええ?うそ、おじいちゃんみたい」
「あ?そういうテメェは何て書いたか覚えるのか」
「うん、余裕で」
「なんて?」
「『ペットショップ屋さんになりたい』だね」
「お前…その顔は嘘だな」
「いや、ほんと。ほんと」
適当なことを言う。
本当は自分が何て書いたかなんてこれっぽっちも覚えていない。
でも昔叶えたかった夢は確かそんな感じだったはずだ。
「なら賭けるぞ。5,000円だ」
「へっ?」
素っ頓狂な声が出る。
リヴァイは心底楽しそうな顔をしていた。
「そんなに自信があるなら賭けろ」
「何故5,000円も…大金じゃない」
「盛り上がるだろうが」
「子供の頃の純粋な夢を大人になった今、金銭絡みで汚すのは良くないかと…」
「自信ないのか?」
「あるよ?」
「なら賭けに乗れ」
「…分かったよ」
変なことになってしまった。
私のタイムカプセルに「ペットショップ屋さんになりたい」と書いてあれば5,000円ゲット、それ以外が書いてあれば5,000円失う。
シンプルでヘンテコなルール。
本当はなんて書いたかな…
頭の中で真剣に思い出す。
結局内容は全く思い出すことなく、取り止めのない会話を滑らせてその日は解散した。