• テキストサイズ

タイムカプセルの一ヶ月【リヴァイ/進撃の巨人/現パロ】

第5章 5



かつての旧友たちは思い思いの挨拶を交わし、久しぶりの再会に抱き合ったり握手をしたりしてはしゃいでいる。

12月25日
20年越しのタイムカプセルを開けるその日が来た。

久しぶりに訪れる小学校は「こんなに狭かったっけ?」と思うほどこじんまりとして見えた。
いざ校庭に立ってみると意外と当時の様子を覚えているもので、新しく建った遊具や切り倒された大木などを見回しては過ぎ去った年数に想いを馳せていた。

タイムカプセルを埋めたのは校庭の端っこ、何本かの木が生茂る「ふれあいの緑」と呼ばれる場所だった。

(来なきゃよかったなー…)

冷たくなった手を擦り合わせながらぼんやり考える。

ハンジは新種の発見をしてしまったとか何とか言って来れなくなってしまった。
リヴァイと言えば…

ちらと目をやる。
昔は全然モテなかったくせに、今になって同級生の女の子たちからキャイキャイ言われている。
そりゃあそうだよな。
マリア商事なんて大企業勤め、30歳独身の女たちが放っておくわけない。
リヴァイを囲む子たちは小学校時代は所謂「カースト上位」にいた子たちで、みんな真冬だと言うのに胸元や足を露出している。
ああいう派手な子たちは今日みたいなクリスマスは彼氏と過ごすんじゃないのか…?
自分も女だというのに、世の女性たちの生態がイマイチわからずに困惑する。
女の子に囲まれた当の本人は、それはそれは迷惑そうに明後日の方向を見ていた。

クラスメイトの参加率は4割程度というところだろうか。
思ったより人数が少ない。
参加の可否をハガキで返信していたわけではないから、これで参加希望者が全員揃ったのかどうかもわからない。
集合時間から30分も過ぎたところでようやく
「もうこれ以上待ってもしょうがないから、いい加減始めようよ」
という声が上がり始めた。
/ 26ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp