タイムカプセルの一ヶ月【リヴァイ/進撃の巨人/現パロ】
第4章 4
小学2年生の夏
今より二十年以上も前
私は登校中、ロリコンの変質者にいたずらされた。
幸い体を少し触られるだけで済んだが、今でもそのときのおぞましさが忘れられない。
泣きながら教師に事情を説明したが、あまり大事にはならなかった。
授業に出なさいと言われた私はもちろんそんな気分になることはなく、教室の隅で一限目から四限目まで泣いて過ごした。
給食の時間になっても涙は止まらず、いい加減同級生たちからも鬱陶しがられていたとき。
リヴァイが黙って私の隣に座ってくれたのだ。
あの時は今のような気の利いた言葉なんてなかった。
ただ隣に黙って座っていただけだ。
でもそれが一人で寂しく泣いている私にとってはとてもありがたかったのを覚えている。
次の日から黒板にリヴァイと私の相合い傘を描かれたりして散々揶揄われたが、リヴァイは気にすることなく変わらず接してくれた。
そのときからだ。
私がリヴァイのことを好きになったのは。
運動神経が良いとかそんな単純な理由だけではなかったことに、なんだか少し感動した。
意識する、というのは不思議なもので、小学生のときのそんな思い出が蘇って来たら急に背中が熱くなった。
昔好きだった記憶がリアルに蘇り、今そのかつての想い人と二人っきりでお酒を飲んでいる事実が私をクラクラさせる。
「ありがと、リヴァイ。ちょっと元気出た」
「ああ…」
はにかんでそう言うと、リヴァイは満足そうに頷いた。