タイムカプセルの一ヶ月【リヴァイ/進撃の巨人/現パロ】
第3章 3
その日待ち合わせ場所に指定されていたのは、ハンジが昔から好きな巨人のモニュメントの前だった。
ぱっと見は男性の像だがよく見ると性器はついていないし、目や口が異常に大きくて、私たちは小さい頃からその像を「巨人」と呼んでいた。
待ち合わせ時刻より少し早めについたが、ハンジはもうその巨人のモニュメントの下にいた。
必死にモニュメントを見つめていて、近づく私に気がつかない。
「はぁ〜ほんとに素晴らしい…悲しみと喜びを織り交ぜたような愛くるしい表情が…」
「ハンジ」
「あえて性器をつけないという斬新さもまた…」
「ハンジ!」
「ふえっ?、あ、あかねー!久しぶり!」
「久しぶり。相変わらずこの気味悪い巨人が好きなんだねえ」
思わず苦笑する。
「そうなんだよ〜小さい頃はわからなかったけど、このモニュメントの作者ハジメール・イサヤーマはね、そもそものこの巨人の解釈として…」
「ああー!ストップ!それ以上話すと止まんないでしょ!?
まずは目的のお店に行こうよ!」
「ちぇっ、まだ話は始まってすらいないのに…」
唇を尖らせるハンジを引っ張って、向かったのは予約をしてあるリーズナブルなフレンチの店だった。
今日みたいにハンジとは半年に一度くらいの頻度でランチをしながら近況報告をし合っている。
ハンジは私よりもずっと頭がいいし、音楽も服も趣味が合わない。
でも何故か昔から意気投合していて、ありがたいことにこんないい歳になるまでその縁は続いている。