第1章 彼女の憂鬱
はじめは母のようにならないよう努めていた。
それでも、私の容姿は母そっくりで
成長するにつれ私はだんだんと母に近づいていった。
私は自分の容姿が嫌いになった。
兄夫婦は私のことをあまり良くは思っていなかった。
兄夫婦は既に2人の息子がいて、
私が2人に悪い影響を与えるのではと心配していたのだ。
私には居場所がなかった。
けれど、母譲りの容姿のおかげで皮肉にも私の周りには常に人が寄ってきた。
居場所が欲しかった私は結局この容姿を利用することにした。
その結果、私は容姿だけでなく心も母にそっくりになった。
今日も私はひどく愛に飢えている。