第11章 ドラルクは聞いた
コンコン
「すみません、霧島です」
「あれ?どうぞ」
ガチャ
「ドラルクさん、新しいソフト持ってきましたよ!」
あの子と過ごす日々は楽しくて、時間が経つのは早かった。
逆に楽しい時間はゆっくりではなく残酷的に早く消える
そんな時だろうか
「最近ドラルクさん元気ないですね」
「そうかい?」
「はい、何だか··先を見たくないような」
「見たくないよりは···なんだろね」
「ドラルクさん、素直に言ってくれますか?」
ドキッ
「ふぇっ!?」
「私で良ければ、話聞きますよ!」
「あっ··あ~···彩華くんには負けるね」
カチャ
「昔の思い出さ」
私が生まれて
父が呼んだ老人···歳を取る恐怖
私が成長すると引き換えに歳を取る老人
「私はね、人間の命の短さを200年以上見ていたのさ··」
「·····」
「仲良くなったご老人も最後には消えた。笑えるだろ?最弱の吸血鬼が急に命に怯える姿が」