第40章 シーグラス 最終話
そのシーグラスを渡してから君はよく見つめていた
「また見てるのかね」
「悪いかよ」
(あの日から彩華くんの姿をまだ見れていない)
若造がよく行くブァミマに出向いても姿は無かった
(彩華くんに会いたいな)
コンコン
「すみません。依頼お願い出来ますか?」
「はっ、はい!」
✿✿✿
『いるよ。約束をした人の子は 』
『ほんとですか!?なら今どこに···』
『ドラルク、見つけるのは簡単だけど面白くない。自分で探すのが面白いんだよ』
あの日生まれてから私は会いに行けなかったから。
君を夜の世界に導くにはまだ早い
だからお祝いの言葉をあの子に囁いたんだ。
「ーーーー」
「ーーー」
✿✿✿
「ドラルクさん?」
「琴葉(ことは)さん、彩華くんの事よろしくね。」
「どこ行くんですか?また一緒に暮らしましょうよ」
「んー、そうしたいんだけど」
ふわっ
「ドラルクさ··ん··」
とさっ
「ロナルドくんと約束したからね」
眠る君の小さな手を握ると
キュッ
握り返された