第29章 けが
からん
「それは···」
「病院行って血を抜いて来たんですよ、あまり噛まれるのは痛いし···後々色々ありましてね···それにナギリさんもそろそろここを出るんですよね?」
「そうだな···しばらくはここを離れる」
「その餞別ですよ、また何かあれば戻って来ていいんですからね?私はずっとシンヨコにいますから」
渡された小ぶりな瓶の血はとても綺麗だった
「世話になったな彩華」
「はい!ナギリさん」
吸血鬼と人間では生きる時間が違う
次に俺がシンヨコに来た時には彩華の隣には退治人が寄り添っていた
血の味は思い出させない。
「俺は、彩華が··○○だった」
❦ℯꫛᎴ❧